道心寺の沿革

いひ捨てし その言の葉の外なれは筆にも跡を ととめさりけり

と道元禅師はお詠みになられておりますが、強いて、とどめて、若干の沿革を記します。
道心寺は昭和52年12月に設立され、初めは現在の境内地の駐車場の奥正面に仮本堂(現 霊園管理事務所併設)
として鉄骨プレハブの20坪前後の建物からはじまりました。

  当初、広島市東区の禅昌寺23世 横山正賢老師は在家の篤信者 松村敏明氏(霊園設立者)とともに墓地参拝者の為に、
春・秋の彼岸法要と夏のお盆法要を中心にして、法要を営われていました。

それから6年目、「坐禅の道場を」ということで、現在の住職 私、五十嵐靖雄が昭和58年4月に晋山入寺してまいりました。
寺に住みついたのは私がはじめてという事でした。
住職になった当初は狭い本堂で私ひとりで坐禅している毎日でありました。しかしながら、年月が経るうちに隣にひとり坐り、
二人坐りするようになり、今のような土曜日に参禅会が開催できるようになりました。

途中、平成元年11月には、現在地(押込6丁目4-30)に坐禅堂と庫裡が建立され、平成4年6月には本堂が建立されました。
この新寺建立は禅昌寺23世 横山正賢老師の熱意と在家の篤信者 當寺開基 松村敏明氏の信仰心の賜物であります。

私はこの道心寺を坐禅を中心にした修養の場所として努めて参りました。
早いもので振り返れば39年の歳月が経ちました。「究明参学の道、愈いよ深し」の感をいだいております。
これからも試行錯誤しながら「自己の本源を尋ねる」坐禅を世に問い続けて行きたいと思っております。